迷家-マヨイガ- はなぜここまで面白くないのか
こんにちは、Jです。
タイトルから不穏な雰囲気が漂っていますが、今回は2016年春アニメで放送前に絶大な期待を寄せられていた「迷家-マヨイガ-」について書きたいと思います。
ストーリーのネタバレあるかも。
以下あらすじ、wikipediaから引用です。
アニメ制作会社のディオメディアとポニーキャニオンの共同企画によるオリジナルアニメ作品。長きにわたり閉鎖されていた集落を舞台に、そこに導かれた若者達の群像劇やその村の謎に迫るミステリーが描かれる
閉鎖された集落を舞台に、若者たちの群像劇とミステリーが描かれる、と。
面白そうです。
そしてオリジナル作品。原作がないということは先のストーリーのネタバレが起こることがなく、毎週ワクワクしながら見れそう。
以下スタッフ、wikipediaから引用
監督・音響監督は『ガールズ&パンツァー』の水島努、シリーズ構成は『あの日見た花の名前を僕達はまだ知らない。』の岡田麿里、キャラクターデザインは『艦隊これくしょん -艦これ-』の井出直美、音楽は『機動戦士ガンダム 鉄血のオルフェンズ』の横山克がそれぞれ担当する
主要スタッフ見たらこれ、覇権確定やん!
面白くならないはずがない!これは放送楽しみ!どんなアニメになるんだろうか!
・・・・・・
現在Jは8話まで視聴しています。全く主観で述べますが、このアニメ面白くないです。
なんでなんでしょうか。
放送前の情報だけ見ると面白くなる要素しか無いのに、ここまで視聴するのがつらいアニメってなかなか無いです。
その理由をいくつか挙げます。
- 登場人物が多すぎ
- 主人公がむかつく
- 感情移入できない
- ミステリーじゃない
ざっくり挙げてこのくらいでしょうか。もしかしたらもっとあるかも。
まず1。
群像劇とのことなので、登場人物が多くなるのは仕方ありません。
しかし、30人は多すぎます。
第1話で一応全員の顔見せとテロップでの名前紹介がありましたが、まだストーリーの導入も終わっていないのにこれだけのキャラ数は把握しきれません。
8話までに主要キャラの掘り下げ回もありましたが、これからキャラひとりひとりのバックボーン回を1話2人ずつやる計算をしても1クール以上使ってしまいます。
であればストーリーに密接に関わるキャラ以外のキャラはモブ扱いにするか、キャラ付けするにしても声優と立ち絵を固定するくらいに留めたほうが良かった気がします。
wikipediaにはキャラひとりひとりの紹介文が載っていますが、全話視聴していても顔と名前が一致しません。
2。
この物語の主人公である光宗(ミツムネ)くんが、視聴者から好かれる要素ゼロです。
光宗くんはヒロインである真咲(まさき)に惚れていて、彼女を守ろうと奔走したりするのですが、そのくせ他の女性を気にする描写があったり自分で「惚れっぽい性格なのかな?」とか言ってみたり。
とにかく優柔不断なキャラで、視聴者はずっとイライラさせられます。
第7話では、双子の兄弟を亡くし、精神を病んでしまった母親のために今まで死んだ兄弟のふりをして生きてきたという壮絶な過去が明かされますが、それを加味してもいままでのイライラのほうが勝ってしまい、「かわいそう!ミツムネがんばれ!」という気持ちにはなりません。
Jは、物語の主人公キャラの構築の仕方には2種類あると思っています。
超人ヒーロータイプと、弱虫努力型タイプです。
前者は、圧倒的な実力を最初から持っていて、視聴者、読者の憧れの対象となるキャラ。
後者は、はじめは弱くて何も出来ないけれど、挫折を繰り返し努力することで強くなっていくキャラ。
具体例は、今期アニメでぴったりなのは 僕のヒーローアカデミアのデク君かな。
マヨイガの光宗くんは、この2種類にあてはめるなら弱虫努力型タイプだと思うのですが、弱虫努力型タイプ主人公で物語を作るには、視聴者、読者から圧倒的な共感を得ないと話になりません。
現時点で視聴者からかなりのヘイトを集めている光宗くんは、キャラクターとして主人公には不適格だと思います。(かと言ってマヨイガの他のキャラに主人公が務まるのかといえばそれは・・・)
3。
これは1と2の結果です。
キャラが多すぎて把握しきれないため、主人公に共感できないために感情移入が出来ない。
群像劇のよいところは、複数のキャラクターに焦点を当てられることで、より感情移入がしやすいことだと思うのですが、マヨイガではそれが出来ていません。
キャラに感情移入が出来ないもう一つの理由に、現実の人間関係でありがちな会話や感情遷移をリアルに描きすぎているというところもあるでしょうか。
リアルな世界での僕たちの会話だと、以前と考えていることが違ったり話す内容に食い違いが出ることは日常茶飯事ですが、意図的かどうかは知りませんがマヨイガでは登場人物の行動に一貫性がないように感じます。
マンガやアニメは創作、架空の世界なわけですから、やはり人物の言動にはある程度一貫性がないと、キャラの説得力がなくなってしまいます。
あるいは言動が変わるにしても、なぜ変わったのか、変わった結果物語にどう影響するのか、しっかりとした理由が無いとダメです。
そして4。
これが見ていて一番「はあ?」となった部分なのですが、マヨイガの物語はミステリーではありません。
放送前のキービジュアルやあらすじを見て、廃村を舞台に連続殺人がおこるのではないか、とか、キャラがどんどん失踪していってその謎が解き明かされていくのではないか、という想像をしていた視聴者は多かったと思います。僕もその一人です。
しかし蓋を開けてみると。
登場人物の過去のトラウマが具現化して襲い掛かってくるという、「ホラー」でした。
しかも襲ってくるのは電車だったりシリコンのおっぱいだったりペンギンのぬいぐるみだったりと、なんだか間抜けです。
本格的な謎解き、あるいは息を飲むようなサスペンスを期待していた僕にとっては、拍子抜けもいいとこでした。
と、ここまでマヨイガに対する僕の不平不満をぶちまけてきましたが、物語はまだ途中です。
もしかするとこれからびっくりするような展開が待っているかもしれません。
水島監督や岡田麿里さんの手腕に期待したいところです。
まあ実のところこの落胆の理由は、今までのスタッフの方々の実績を見て視聴者が勝手に期待した結果、思っていたものとなんか違う料理が来て文句を言っているというモンスターカスタマー的なところもありますから、今はツラいですが物語を最後まで見て、それから判断すべきなのでしょうね。
途中まではグダグダだったけど最終回まで見たら「ああ、見てよかった・・・」と思わせてくれた 新世界より という例もあるし、気長に待ちます。
それでは。